開発テーマを自分で考えて起案しよう。良いテーマのための3つの最低条件とは。

民間企業のR&D部門で働いている方に向けて、自ら開発テーマを起案することの重要性と起案する時のポイントについて、お伝えしようと思います。上司やリーダーから、「何か新しいテーマある?」とか、「やってみたいことは何?」と聞かれて、あわてて薄っぺらいアイデアを言ってしまい、軽い質問に返答できず、そのアイデアを取り下げてしまったことがある方にとって、良い気付きになれば幸いです。

なぜ、開発テーマを起案する必要があるのか?

おそらく、会社には良いテーマだけではなく、大人の事情で悪いテーマも存在していることでしょう。良いテーマを担当できればラッキーですが、悪いテーマに当たってしまうと、順調にキャリアを積み上げることが難しくなります。もちろん、悪いテーマでも、優れたスキルを発揮して高い実績を残すことは不可能ではありませんが、うまくいく確率は低いです。良いテーマでも、うまくいく確率が100%ということはありませんが、成功確率は高い方がいいでしょう。その成功確率を運に任せるべきではないと私は思います。
周りに、「自分が担当しているテーマは良くない」とか、「あの人がうまくいったのは、実力ではなく、ただテーマが良かっただけだ」とか、愚痴っている人はいませんか?是非、その人には、『賭博黙示録カイジ』13巻の次の名セリフを味わって欲しいです。

あろうことか 祈ってしまった 何も考えず

神頼み 救ってくれ オレを助けてくれ もう自分以外 頼る者などない と骨身に染みて

知っていたはずなのに

良いテーマを担当できるのを祈ってもダメです。自分の薄っぺらいアイデアを良いテーマに展開して下さいと神に頼んでもダメです。頼れるのは自分の創造力です。自分で良いテーマを考え、起案し、ぜひ自分で実行しましょう。では、良いテーマを考える前に、まず悪いテーマのパターンを理解しましょう。

悪いテーマ1. とりあえずやっておこうパターン

今まで通りではダメだから、とりあえずやっておこう。とか、他社がやっているので、とりあえずやっておこう。とか、世間で流行っているから、とりあえずやっておこう。のように、自社が取り組むべき意義がないテーマはうまくいきません。意義が不明だと職場には「やらされている感」が漂います。最終的に、リーダーは「とりあえず、上層部の指示だからやって」と言ってしまいます。このような職場では息苦しく、メンバーの能力を十分に引き出すことが難しいです。

悪いテーマ2. やらないより、やっておいた方がマシパターン

実際にクレームが発生した事例や、クレームに発展しそうになった事例に着目して、改善策を講じることはとても良いこと、というか絶対にやっておくべきことです。しかし、数日から数カ月で事態を終息させられるような応急処置的な対応は、良いテーマだと言えません。根本的な改善に取り組むことが良いテーマだと言えます。場合によっては、設備投資やチーム構築が必要になります。「やっておいた方がマシ」という言葉は、仕事を受け身で構えている時に出てくることが多いです。このような姿勢では、緊急性の高い業務が増え、残業が増え、自分の能力を発揮する機会が少なくなります。社内で「やっておいた方がマシ」という言葉が発生していたら要注意です。

悪いテーマ3. 夢と現実のギャップが大きすぎパターン

実現するのに3年以上かかりそうな大きな夢に向かって進めることは良いことです。さらに、夢のマイルストーン(中間目標)を立てて、1年単位で取り組むのが良いでしょう。しかし、大きな夢のままで、適切な中間目標がないままだと、進捗管理ができず、実現は難しくなります。少なくとも、明日、誰が何をやるのか、明確に言える状態にしておかなければなりません。

実際にテーマを考えてみましょう!

上記の悪いテーマの3パターンを意識してテーマを考えてみましょう。とりあえず、大きな夢とその意義を明確にし、具体的に明日何をやるのか言えることが必要です。さらに、ビジネス書『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』では、「一見して非合理」であることが重要だと言われています。私の記事「問題把握力を5分で理解する」も参考にしてみて下さい。

良いテーマを考えるために、社外の環境から情報を取り入れる必要があります。しかし、有名なジャーナリストが発信しているような情報を軸にして考えると、差別化が難しくなり、レッドオーシャンに飛び込むことになります。最近では、Webマーケティングのスキルを身に着けて、生きた情報を自ら収集する方が増えています。Webマーケティングに興味がある方は、こちらの講座「未経験者に対して3か月でwebマーケターに育てます【Wannabeアカデミー】 」をご検討下さい。

著作権について

本ページでは、コミック『賭博黙示録カイジ』13巻を引用させて頂きました。引用した画像・文章の著作権は、作者の福本伸行様および出版社の株式会社講談社に帰属します。本ページの作成者Dr. 謙くんは、その著作権を侵害する意図を持っておらず、敬意を持って引用しております。本ページの内容は、テーマを起案することに関する解説が「主」であり、その補足説明のために引用した部分が「従」だと認識しております。カイジの世界観を知る者どうしが共感するために必要で最小限の範囲で引用しました。引用について細心の注意を払っておりますが、万が一、権利者様の権利を侵害する場合はお問い合わせ下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です