【クレーム対応】 昇格試験のケーススタディでの解答例

企業の昇格試験でよく出題されるケーススタディインバスケットでのクレーム対応について、企業で2年以上の管理職経験を持つ私のメソッドをご紹介します。このページの文字数は約1,400字です。平均的な日本人は 2分48秒で読めます

クレーム対応の優先順位は高い

昇格試験では、仕事の緊急度重要度から優先順位を付ける能力を評価されます。ケーススタディやインバスケットではクレームが発生していることでしょう。例えば、製造部門での品質異常だったり、購買部門での納期遅れだったりです。クレームは、緊急度と重要度がともに高いと言えるので、優先して記述するようにしましょう。また、クレームは問題(現状とあるべき姿のギャップ)が顕在化している状況なので、しっかり記述しておかないと、問題把握力が低いと評価され、平均点を下回るでしょう(問題把握の解説はこちら)。記述の流れは、次の3ステップです。

  1. 苦情認識
  2. 早期収束
  3. 再発防止

記述例 1

製造部門での品質異常の場合の記述例(346文字)

【苦情認識】
品質第一を掲げている企業であるのに、製造部門で品質異常が起こった。想定されるトラブルについて対策マニュアルを作成し、メンバーに周知徹底できていなかったことが原因の1つであると考えられる。

【早期収束】
ミスを起こしたメンバーと関係者を集め、チームを作って、品質異常の原因を特定する。例えば、原料に異常がなかったことを調査するグループと工程にミスがなかったことを調査するグループに分けて取り組み、グループ間で今日中に情報共有し、上司に報告する。


品質異常によって起こりうる最悪の事態を想定し、対策を立てておく。例えば、製造が止まり、顧客への納品が遅れるなら、営業部門等の関連部門に連絡することについて、上司や関係者に相談する。

【再発防止】
本クレームの再発を防止するために、対策マニュアルを作成し、対象者に教育訓練を実施する。

記述例 2

購買部門での納期遅れの場合の記述例(373文字)

【苦情認識】
安定供給という企業における重要な役割を担う購買部で原料の納期が遅れるという事態が起こった。発注から納品までの状況を把握しておくべきだったが、十分ではなかったことが原因の1つであると考えられる。

【早期収束】
早急に納期がいつになるのか原料メーカーに確認し、製造・流通・販売等の関連部門に謝罪とともに連絡をする。
この納期遅れによって起こりうる最悪の事態を想定し、対策を立てておく。例えば、生産への影響があるなら、生産管理等の関連部門に連絡することについて、上司や関係者に相談する。
原料メーカーに対して納期の交渉をしたり、代替品を探したりして、生産への影響を最小限に抑える取り組みを行う。

【再発防止】
本クレームの再発を防止するための対策を立てて関係者に周知する。例えば、原料メーカーに対して納期の連絡を徹底したり、納期が遅れても顧客への影響がないような仕組みを作ったり検討する。

解説

クレームの原因は、自分ではなく、同じグループのメンバーのミスによることが多いです。あまり関わりたくないし、上司にパスしたいところですが、そのメンバーのミスは、自分のやり方が不十分だったから起こったという心構えで取り組みましょう。付け加えて、ミスをしたメンバーと協力する点を記述すれば、育成力のポイントがアップするでしょう。
まず、事態を把握した後、関連部門への連絡、影響を最小限に抑える努力、最悪の事態を想定した対策のアクションを起こしましょう。最後に、再発防止について記述しておけば、平均点は取れると思います。

 以上になります。お役に立てれば幸いです。試験結果等を保証するものではございませんので、ご了承ください。

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