問題把握力を5分で理解する。昇進・昇格試験ケーススタディ対策

社会人にとっての問題とは、現状とあるべき姿のギャップのことです。学校教育の時の問題とは意味が違います。この点を理解しておかないと、昇格試験だけでなく、日常の仕事でもうまくいきません。まだよく分かっていない若手・中堅社員の方にとって、民間企業で2年以上の管理職経験を持つ私の解説がお役に立てれば幸です。このページの文字数は約1,600字です(広告は無視して)。平均的な日本人は3分12秒で読めます

昇格試験のケーススタディのコツを先に理解したい方はこちらの記事へ進んで下さい。

ありたい姿(理念)と あるべき姿(目標)

組織には理念があります。その組織に属している人は、その理念(ありたい姿)に向かって活動しています。例えば、

 ・製薬企業の場合、人々の健康に貢献する
 ・エンターテイメント企業の場合、娯楽と夢を提供する
 ・銀行の場合、社会の繁栄に奉仕する

のような感じですが、定量的なゴールではないので、達成したかどうかの解釈が難しいです。そこで、理念を実現するために、最低限どうあるべきかを考えます。そのあるべき姿が目標です。求められる最低限のレベルなので、達成できないと、責任を追及されます。

あるべき姿 でないことが「問題」

問題とは、あるべき姿と現状のギャップ

例えば上図のように、「山の頂上にいたい」という思いがあるなら、まず「陸に上がるべき」という状況において、「海に浮いている」現状が「問題」だと解釈します。サーフィンすること自体が問題ではなく、山を目指しているのにサーフィンしていることが問題だということです。

問題を把握するということ

問題把握力は、あるべき姿(目標)の根拠を説明できること

上図のように、同じ島を目指している2人がいますが、左の人は問題を把握していて右の人は問題を把握していません。2人の違いは、サメの存在に気付いているかどうかです。サメに気付いていれば、サメ撃退グッズを装備したり、サメの少ないルートを選択したり、対策を立案することができます。また、島を目指す理由や必要性を理解していれば、危機感を持って、高いモチベーションで島を目指せますが、逆にサメに気付いていない場合、サボったり、すぐに諦めたりするかもしれません。よって、目標(あるべき姿)の根拠を十分に説明しないと、問題把握力が低いと見なされますので、ケーススタディ試験では意識して下さい。

目標の根拠を説明しておけば…

例えば、取締役から「今年の売上は100億円。来年の計画は110億。」という言葉だけが、部長→課長→一般社員へと伝わってきた場合、あるべき姿が110億円だと納得できるでしょうか? 達成できなかったら責任を追及されるので、よく考えてみて下さい。
仮に、「為替相場の影響で原料価格が高騰しており、販売価格を10%値上げする計画があるから」という説明があれば、取引件数を維持して値上げしようというイメージを持てますね。あるいは、「災害で工場が被害を受け、想定外の設備投資を計画しているから」という説明があれば、素直に役立ちたいという気持ちを持てるかもしれません。このように、目標の根拠を伝えることが、リーダーや管理職に必要なことです。

一流リーダーの「あるべき姿(目標)」の立て方

一流リーダーの目標(あるべき姿)設定

上の例では、山の頂上にいたいなら、まず陸に上がるべきという、あるべき姿(目標)を立てました。多くの人は、この目標を妥当だと思うでしょう。しかし、一流リーダーは、一見妥当ではない事を言い出します。例えば、「ヘリコプターを呼ぶべき!」のような感じです。当然、周りのメンバーから反対意見を受けることになりますが、陸を目指すよりも、ヘリを呼んだ方がいいという根拠を合理的に説明します。例えば、「この海にはサメがいるし、陸にはトラがいるかもしれない、ヘリの方が早く山の頂上にいける」、「ヘリが墜落する確率と、サメとトラに遭遇して助からない確率を比較して、ヘリの方が危険だとは言えない」のような感じです。そうすることで、メンバーが本心で「なるほど」と思い、自主的に行動を起こします。結果的に、そのリーダーは、自分でヘリを呼ぶのではなく、ヘリを呼ぶアイデアの妥当性を説明しただけになります。このように、一流のリーダーは、ありきたりで妥当な目標を立てないようです。が、なかなか難しいですね。ちなみに、幽遊白書の蔵馬は、一流リーダーだと思います。

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